コウノトリは昔から、日本の田んぼや川のあちこちに生息して
いました。
コウノトリは、湿地や水田などでは食物連鎖のピラミッドの
頂点にいる存在で、魚、カエル、虫など、様々な生物を餌と
します。
つまり、コウノトリの棲む場所には餌となるこれら様々な生
物が生息できる環境がある、ということを示しています。
コウノトリは、その場所に豊かな自然があるということを、
証明しているのです。
巣作りや子育てはオスとメスの共同作業です。
巣は木の上などに太い枯れ枝を組みその内側
に枯れ草などを敷いて作られます。
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3~4月に3~4個生まれる卵はオスとメスとで交代しながら
あたためます。産卵してから30日程度でヒナがかえり、
ヒナがかえってから巣立つまではだいたい55日程度です。
コウノトリは、150年ほど前までは、日本中でごく普通に見られた野鳥で、野田をはじめ、関東平野にも
飛来していました。
しかし、明治時代以降の乱獲、戦時中の営巣木(松)の伐採、高度成長期以降の生息地減少、農薬による餌の汚染
などにより激減し、1971年に兵庫県豊岡市で野生最後の個体が捕獲されたことで、野生のコウノトリは消滅しまし
た。時々、大陸から飛来するものの、日本の空から消えたのです。
そんな中、コウノトリの飼育下繁殖は、1965年に兵庫県豊岡市で始まりました。
中国やロシアから若い個体を導入して飼育下繁殖を試み、1988年に多摩動物公園で初のヒナが誕生しました。
以後、豊岡などでも順調に繁殖し飼育個体数が現在約200羽に増加しています。
なお、野生復帰については、2005年に、豊岡市で初めての放鳥がスタートし、放鳥したペアからヒナがかえり、更に2012年には、国内では36年ぶりに自然のもとで繁殖したペアからヒナがかえりました。 また、野田市でも2012年から飼育を開始し、2015年から放鳥を行っています。
国内におけるコウノトリの野外の生息羽数は、現在では170羽まで増えています。